「子育てしながら開業」をリトミックで実現・教室は親子の学びの場|長谷川陽子さんインタビュー

横浜市栄区の本郷台と鎌倉市の大船で、0歳からの親子リトミック教室「リトピュア」を運営されている長谷川陽子先生。
音楽大学を卒業後、会社員経験を経て、3人のお子さんを育てながら、ご自身の経験と音楽への想いを胸に、リトミック講師として活躍されています。
今回は、教室を運営する中でのリアルな喜びや課題、そしてレッスンで大切にされている「親子の学び」や「コミュニティ」の価値について、詳しくお話を伺いました。

リトミック講師への道、そして教室開設へ

― 会社員も経験された長谷川先生が、リトミック講師の道を選ばれたきっかけは何だったのでしょうか。

長谷川先生:「そうですね、もともと音楽の勉強はしていたので、それを活かした仕事がしたかったというのと、子育てがあるので、自分の生活スタイルに合った時間の使い方がしたかった、というのがあります。あと、私自身が3人子育てをしている経験も活かせれば、世の中のママさんのためにもなるかなと。元々子供と遊ぶのも好きでしたし。」

― 数あるリトミックの中から「リトピュア」を選ばれた理由は?

長谷川先生:「講師をやりたいなと思って調べていた時にリトピュアが出てきました。子育てしながら、そのカリキュラムを全部自分で考えて…ってやると、結構な時間がかかるので、加盟会費を払うことで、本部が長年培ってきたカリキュラム自体を提供してくれるっていうのが、すごく私にとってはメリットでしたね。」

― 実際にプログラムに触れてみて、いかがでしたか?

長谷川先生:「一番下の子がお腹の中にいる時、8年くらい前に説明会のようなものに参加してみたら、『何これ楽しいじゃない!これなら絶対子供たちが食いつくな』と(笑)。音楽が途切れずに流れ続けて、その中で様々な活動が展開される。子供を飽きさせない工夫がすごいな、と。これはやりたい!と強く思いました。ただ、当時は下の子も小さく、すぐには始められなくて。少し思いを温めて、教室を開いたのは1年くらい前なんです。」

― リトピュアの先生は、様々な経歴の方がいらっしゃるとのことですが。

長谷川先生:「そうなんです。リトミック自体は資格がなくても指導できる分野なので、特に私なんかは音楽の勉強してましたけど、してない…例えば元保育士さんが転職してやるとか、本当に子供好きの方が子育てしながらやるとかも結構あって。あとは、お子さんをリトピュアに通わせていて『すごく良かったから自分も先生になりたい』という方もとても多いですね。半分ぐらいはそういう先生かもしれません。リトピュアの特別な研修を受ければ、リトピュアに加盟して音源とカリキュラムを使って教室を開くことができます。」

リトピュアは創始者の方が30年近く前に立ち上げ、現在は親子二代で会社を運営。その歴史の中で、卒業生が講師として戻ってくるという良い循環も生まれているようです。音楽・ダンス・幼児教育のプロがカリキュラム作成に関わっている点も特徴です。

教室運営のリアル:自由度と課題

― 加盟教室としての運営について、もう少し詳しく教えていただけますか?

長谷川先生:「加盟教室なので、本部に対して加盟料のようなものを支払います。レッスン料は『ワンレッスン2000円以上』+教材費という基本ルールはありますが、開講する曜日・時間帯などは基本的に各教室で自由に決められます。地域によって物価も違うので、都心部では料金設定が高めになっている教室もありますね。規則はまあまあありますが、基本的に自由度は高いです。本部にも相談に乗ってもらえますし。」

― 運営される中で、特に大変だと感じる点はどんなところでしょうか?

長谷川先生:「やっぱり一番大変なのは集客ですね。これは他の先生方も皆さん苦戦されています。ありがたいことに、私の教室は誰もいない状況ではないですが、常に『集客しなきゃ』という意識はあります。私は自分の時間を買うつもりで加盟料を支払っていますが、考え方によってはこの加盟料が高いと感じることもあると思います。」

― 経営的な難しさがあるのですね。

長谷川先生:「そうですね。長く続けている先生もいらっしゃいますが、やはり経営が難しいという理由で辞めてしまう方もいらっしゃると聞きました。最近、本部の方で加盟費の仕組みが変わり、生徒さんが少なくても続けやすいように改善されたようで、新しく加盟する先生も一気に増えました。もっと活性化するといいなと思っています。」

集客のリアル:「地道な努力」と「個性の活かし方」

― 集客に関して、本部からのサポート以外で、先生が実践されていること、大切だと感じていることはありますか?

長谷川先生:「基本的なことですが、紙媒体(チラシ)もネットでの発信(インスタなど)も、どちらも大事だと考えています。それから、ただチラシを作ってポスティングするだけでなく、地域のイベントなどで自分自身が出ていって直接お渡しするような地道な活動も必要ですね。色々なことを緩めずにやっていく必要があると感じています。」

― 成功されている先生には共通点があるのでしょうか?

長谷川先生:「そうですね、やはり地道な活動を続けられている先生が多いです。私も他の成功している先生からお話を聞く機会があるのですが、皆さん、チラシ配りでも『いらない』って言われて心が折れてもやり続けるとか、マンションの郵便受けでも、『断りなく入れたチラシはお断り…』って書いてあるから『じゃあ断ってみようかな』って聞いてみるとか(笑)。聞いてみたら『お子さんのならいいですよ』って言われることもある。そういう、諦めない心と、ある意味での図々しさみたいな行動力は、やっぱり必要だなと感じますね。」

― 先生ご自身の人柄や教室の雰囲気も重要になりそうですね。

長谷川先生:「すごくあると思います!やっぱりお教室って、その先生のカラーで集まってくるなって思うんです。『この先生なら楽しくできそう』とか、そういう相性ってありますよね。それで入会してくださる方も多いので、私も今の生徒さんや保護者の方々には本当に恵まれていて、すごく楽しくやらせてもらっています。」

大切にしたい「保護者の繋がり」とコミュニティの価値

― レッスン内容だけでなく、保護者同士の繋がりも大切にされているそうですね。

長谷川先生:「そうなんです。特に一人目のお子さんが生まれて間もないママさんって、結構孤独を感じやすいと思うんです。私自身も一人目の子が小さい時は、そういうモヤモヤしたものを持ちながら暮らしていた時期がありました。家族がいても、やっぱりママ同士でしか分からない悩みや気持ちってあるんですよね。」

― ご自身の経験から、その繋がりを教室で育みたいと。

長谷川先生:「はい。教室で気軽に話せるママ友ができたら、『自分だけじゃなかったんだ』『そういうことってあるのね』って分かるだけでも、安心して気が楽になると思うんです。そういう繋がりを通して、子育てがもっと楽しくなったらいいなって。孤独にならないでほしいんです。私も15年くらい前に親子ダンス教室に通っていたんですが、そこで知り合ったママさんとは今でも連絡を取ったりしています。そういう出会いは貴重ですよね。教室がそういう場にもなれたら嬉しいです。」

指導で大切にしていること:「親子の学び」と「見守る姿勢」

― リトピュアのレッスンでは、フラッシュカードなども使われるそうですが、どのような意図があるのですか?

長谷川先生:「リトピュアのフラッシュカードは、単なる詰め込みではなくて、日本の文化や伝統、季節感などに触れて、そこへの興味を持ってほしい、という意図があるんです。例えば『重ねの色目』とか、季節の食べ物とか。そこからご家庭で『これ、教室でやったね』って会話が広がると嬉しいですね。パパさんとかも結構気になったりするみたいですよ(笑)。」

― レッスン中の声かけで意識されていることはありますか?

長谷川先生:「リトピュア自体が声かけを大事にしていて。褒めるというよりは、『やったこと』をそのまま言葉にして伝えてあげる、『実況中継』のような感じですね。『タンバリンでリズム取れてるね』って具体的に言ってあげると、子供は『見てくれている』と感じて嬉しいみたいです。もちろん『上手だね』とかも言っちゃいますけど(笑)。あと、『子供の習い事ではあるんですけど、ママ、パパも学べる家族の習い事だよ』っていうのをちょっと言いたくて。そういう声かけをレッスンで保護者の方が見て、『こう言うと子供は喜ぶんだ』とか、何か感じて学んでもらえたら。ママが楽しいことが、結局はお子さんに還元されると思うので。」

― 子供の気持ちに寄り添うことも大切にされているそうですね。

長谷川先生:「そうですね。例えば、ちょっと気分が乗らない時があっても、ママが無理やりやらせずにじっと見守る時間があると、子供は自分で気持ちを立て直せることがあるんです。ああいう『自分で立て直す時間』ってすごく大事。周りの大人が焦って『ほら、これだよ!』みたいに介入すると、その機会を奪ってしまうこともあるので。そういう時は、教室内で『感じてもらえる』ように、無理強いしない関わりを心がけています。」

これからの教室運営と未来の指導者へ



― 現在、7クラスほどを担当されているとのことですが、今後の展望などはありますか?

長谷川先生:「そうですね、いつかピアノも教えたいなとは思っています。本格的なピアノ教室というよりは、楽しんで続けていけるようなピアノ教室。実は私の母がピアノ教室をやっていたので、実家にはグランドピアノもあるんです。部屋を借りて…なんて話も少ししていますけど、まだ具体的ではないですね。」

― 最後に、これから教室を開きたい、あるいは今頑張っている方へメッセージをお願いします。

長谷川先生:「教室運営は本当に大変なことも多いですが、それ以上にやりがいのある仕事です。諦めずに続けること、地道にやること。そうすれば結果に繋がることもあると、私も感じていますし、成功している先生方もそうだと思います。そして、お子さんの成長を保護者の方と共感できる瞬間は、本当にやってて良かったなって思いますね。ぜひ、子育てを、そして教室運営を楽しんでほしいです。私も一緒に頑張ります!」

インタビューを終えて

加盟教室ならではの運営のリアル、集客の難しさ、そして何より子供たちと保護者への温かい想いを語ってくださった長谷川先生。「教室は親子の学びの場であり、保護者のコミュニティでもある」という言葉には、地域における習い事教室の持つ大きな価値と可能性が示唆されていました。試行錯誤しながらも、ご自身の経験と想いを大切に教室づくりを楽しむ姿勢は、多くの教室運営者にとって勇気とヒントを与えてくれるのではないでしょうか。長谷川先生の今後のご活躍を心より応援しております。

今回お話を伺った先生

長谷川 陽子 先生
リトピュア加盟教室講師
音楽大学卒業後、事業会社に勤務。結婚・出産を経て、リトミック講師の道へ。3人のお子さんの母親でもある。
現在は、本郷台教室(横浜市栄区)、大船教室(鎌倉市)にて、0歳からの親子リトミック教室を開講中。

音楽の楽しさはもちろん、「親子の学び」や「保護者同士の繋がり」も大切にした温かい教室づくりを目指している。
ご趣味はキャンプ。5年ほど前に愛犬を迎えてからは、ご家族と愛犬とのキャンプが恒例のリフレッシュ。

▼教室ホームページ(本郷台・大船)
https://rito-pure.com/kamei115/

▼Instagram
https://www.instagram.com/rito_yoko.hasegawa/

(※教室の詳細情報は、 リトピュア公式サイト 等でご確認ください)

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