ギフテッド教育、オルタナティブ教育…世界の教育トレンド紹介

「うちの教室に、ずば抜けた才能を持つ子がいるけれど、どう接すればいい?」「画一的な指導法に疑問を感じている…」
多様化が進む現代において、子供たちの個性や才能もさまざま。一人ひとりに合った教育を提供したいと願う先生ほど、世界の教育トレンドに関心をお持ちではないでしょうか。

ギフテッド教育やオルタナティブ教育といった言葉は、特別な学校だけのものではありません。その根底にあるのは、すべての子供が持つユニークな可能性を最大限に引き出すという、普遍的な教育の理想です。

この記事では、「ギフテッド教育」と「オルタナティブ教育」という、世界の教育シーンで注目される2つの大きな潮流について、その基本的な考え方と、日本の一般的な教室でも応用できるエッセンスを分かりやすく解説します。

まずは、それぞれの教育がどのような子供たちを対象とし、何を目的としているのか、その違いを明確にしましょう。

教育トレンド 主な対象 教育の目的・特徴
ギフテッド教育 特定の分野で突出した才能や高い知能を持つ子供 その子の能力や学習ペースに合わせ、より深く、より高度な学びを提供し、才能を最大限に開花させること。(加速学習、深化学習など)
オルタナティブ教育 画一的な教育に馴染まない、すべての子供の個性 子供一人ひとりの興味や発達段階を尊重し、体験学習や自主性を重んじる教育哲学を持つこと。(モンテッソーリ、シュタイナー教育など)

つまり、ギフテッド教育は「才能の突出」に、オルタナティブ教育は「個性の尊重」に、それぞれ焦点を当てたアプローチと言うことができます。

2. ギフテッド教育とは? - 「突出した才能」を伸ばすアプローチ

ギフテッドとは、単に「勉強ができる子」ではありません。知的好奇心が非常に強い、驚異的な記憶力を持つ、特定の分野で大人顔負けの才能を発揮するなど、その特性は様々です。しかしその一方で、周りとの違いから孤立感を抱えたり、授業が退屈で学習意欲を失ったりする「浮きこぼれ」の問題も抱えています。

▼ ギフテッド教育の主な手法
  • 加速学習(アクセラレーション):学年を超えて先の単元を学習したり、飛び級したりすること。
  • 深化・拡充学習(エンリッチメント):同じ単元でも、より発展的な課題に取り組んだり、関連する別のテーマを調査させたりして、学びを深掘りすること。
▼ あなたの教室でできること

全員に同じ課題を与えるのではなく、理解の早い子には「発展問題」や「応用課題」を用意しておく。例えば、学習塾なら難易度の高い問題集を、ピアノ教室ならより表現力が問われる曲を提案するなど、その子の知的好奇心を刺激する「少し上の挑戦」を提供することが重要です。

3. オルタナティブ教育とは? - 「個性に寄り添う」もう一つの選択肢

「もう一つの」という意味を持つオルタナティブ教育は、一般的な公教育とは異なる哲学や手法を持つ教育の総称です。代表的なものに、子供の自主性を育む「モンテッソーリ教育」や、芸術や自然との調和を重んじる「シュタイナー(ヴァルドルフ)教育」などがあります。

▼ オルタナティブ教育に共通する考え方
  • 競争よりも、一人ひとりの内面的な成長を重視する
  • 体験学習、実物教育、芸術活動などをカリキュラムに多く取り入れる
  • 年齢の異なる子供たちが共に学ぶ「異年齢学級」を取り入れていることが多い
▼ あなたの教室でできること

先生が一方的に教える時間を少し減らし、生徒自身が教材を選んだり、自分で学習計画を立てたりする時間を設けてみましょう。また、年上の生徒が年下の生徒に教える機会を作ることで、教える側も教わる側も学びが深まり、協調性が育まれます。

4. あなたの教室で活かす、グローバル教育のエッセンス

専門的な知識がなくても、これらの教育哲学の本質を日々の指導に活かすことは可能です。

  • 「教える」から「引き出す(ファシリテートする)」へ意識を変える
    すぐに答えを教えるのではなく、「どうしてそう思うの?」「他にどんな方法があるかな?」と問いかけ、子供が自分で考えるプロセスを尊重する。
  • 一人ひとりの「好き」や「得意」を認めて伸ばす
    全員を同じ基準で評価するのではなく、「〇〇ちゃんは、誰よりも丁寧に作業できるね」「〇〇くんのアイデアは、いつも面白いね」と、その子だけの強みを見つけて言葉にする。
  • 多様な教材や選択肢を用意する
    同じテーマでも、本で調べるのが好きな子、動画で学ぶのが得意な子、実際に作ってみたい子など、学び方は様々です。可能な範囲で、アプローチの仕方に選択肢を持たせましょう。

5. 先輩オーナーの声:モンテッソーリ教育のエッセンスを取り入れて

「私の幼児向け知育教室では、以前は全員で同じ制作活動をしていました。でも、集中できない子や、逆に物足りなそうな子がいて、ずっと悩んでいました。」

「そこで、モンテッソーリ教育の本を参考に、『お仕事の時間』というのを導入したんです。いくつかの棚に、指先を使うもの、数に触れるものなど、種類の違う教材(お仕事)を準備し、子供たちが自分で好きなものを選んで取り組む時間です。私は教えるのをやめて、見守り、少し手助けする役に徹しました。」

「すると驚くほど、子供たちが自分の活動に集中し始めたんです。『自分で選んだ』という主体性が、こんなにも子供の目の輝きを変えるのかと感動しました。特別な資格がなくても、考え方のエッセンスを取り入れるだけで、教室は大きく変わるんですね。」

(幼児教室 運営者の声)

まとめ:多様な学びの形を知り、教室の可能性を広げよう

ギフテッド教育もオルタナティブ教育も、その根底にあるのは「子供一人ひとりを個人として尊重し、その子に最も合った形で成長をサポートしたい」という願いです。

世界の多様な教育トレンドを知ることは、指導の引き出しを増やし、これまで以上に生徒の個性や才能に寄り添うための大きなヒントを与えてくれます。全てを真似する必要はありません。あなたの教室の理念と合うエッセンスを見つけ、子供たちの未来の可能性を広げる一助としてください。

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